相手の話をよく聞くという事②

整体の学校を出た私でさえ、整体院が何をするところなのかは曖昧でした。
筋肉をほぐしてくれるところ? 身体のバランスを整えてくれるところ?
学校で習ったこととしては、揉み解し方・ツボの場所等がありました。もちろん疲れた身体は回復します。私もお客さんとして整体院に行ったことはありますが、おおむねそれです。マッサージと呼ばれるものだと思いますが、それだけでも悪くないと思います。
あなたに聞きます。整体師とマッサージ機の違いは何ですか?
私は聞く耳を持っている、という事だと思います。相手の言っていることを聞いて、考える頭を持っている、という事だと思います。
整体院とは何をしてくれるところか。
話を聞いてくれるところ、だと思いますよ。

先ほどの女性の話に戻ります。喉の治療をするのは彼女の身体がやる事です。口を閉じて鼻呼吸ができれば喉の不調はずいぶん早く収まるでしょう。でも鼻呼吸ができない。それは何故かを考えます。鼻の通りが悪くて口で息をしているなら、鼻の通りが良くなることを考えます。ペパーミントのアロマオイルを鼻の下に塗って、鼻呼吸ができるようになりました。それでも口を開けています。無意識で行う事を、癖と言います。まず自覚をして意識して止めることができるか、できないのであればやはりマスクが必要です。喉の不調が収まれば、マスクは外していいです、とゴールを示すことが大事です。一週間と期限を区切ると頑張れたりします。その間に本人が納得できる理由を見つけます。口呼吸の害を挙げてみます。乾いた外気にはウィルスもいっぱいいますよ、とか。胃の匂いが駄々洩れなので口臭予防をしても口を開けっぱなしでは臭いですよ、とか。まず本人が口を閉じる気になることが大事です。胸鎖乳突筋をほぐしたところで口は閉じませんから。
これは整体院のメニューには載らない事です。だからお客さんは何をしてくれるのか知りません。料金も付きません。トータルでみるとはそういう事です。
医者であれば喉の炎症を確認し、抗生物質など出すかもしれません。それは処置です。何故なったのかは関係ありません。処置してもらえば治まるので何の文句もありません。
でもまたなりますよ、という事です。

 私は『整体院とは癖外来だ』と思っています。無意識の習慣が十年、二十年、三十年と続いたときに、辛い症状となり本人の手に負えなくなってきています。無意識の行動は反射です。脳からの指令もなく動いてしまう事です。本能と言うところだと思います。
これと似通ったものに「正しいと言われて始めた習慣」があります。その当時は正しいとされていた、と言うべきでしょうか。時代が移り変わると共に環境も変わって行きます。正しいとされていたことも、のちの研究によって違っていたという物もあります。また、勘違いもあります。そして誘導されたものもあると思います。それらを知ったうえで選択してください、と伝えるのが整体師なんじゃないかと思っています。