痛みの治療とは

 気持ちの持ちようで痛みを感じると言うと精神論のように聞こえると思います。「甘えて言っているんじゃない! 本当に痛いんだ!」というのもよくわかっています。痛みとは本人しか感じないものです。痛みを数値で表すことなんてできないんです。お医者さんが目安としているのは、炎症だと思います。
でも整体師は炎症が起きていなくても痛みがあることを知っています。
例えば腰が痛いと言って整形外科に行ったとします。レントゲンを撮って、骨に異常はなく炎症もないことがわかりました。痛み止めを処方されました。
その痛み止めはなんですか? 精神安定剤であることがあるんですよ。
誰もが痛みの原因は傷害によるものだと思っています。怪我=痛みだと思っている。傷害もないのに痛いなんて、気のせいですね、安定剤飲んでね、という事です。
TMS(緊張性筋炎症候群)と呼ばれるものを知っていますか?
ニューヨーク医科大学教授ジョン・サーノ氏が書かれた『サーノ博士のヒーリング・バックペイン 腰痛・肩こりの原因と治療』という本があります。
TMS(Tension Myositis Syndrome)とは『脊椎ではなく軟部組織に生じる痛みを伴う良性の生理的変化であり、それを引き起こすのは感情をつかさどる心だ』という考え方です。心の緊張が原因で筋肉に痛みを感じている。私は物凄く合点がいきます。心の緊張とは不安ではないかという事例をたくさん見て来たからです。
翻訳者である長谷川淳史さんのあとがきにも「手術は究極のプラシーボ」と書かれています。「医師という薬」が効果的な治療になると言います。これは信頼関係を表しているのではないでしょうか。「名医に手術してもらったんだから、もう安心」と思う事で痛みは止まったのです。反対に「手術をしたのに、また痛くなった」と思うのは、手術自体を信用していなかった、もしくは後に疑うようになったのではないでしょうか。
おかしいと思いませんか? 物理的な問題じゃなかったのですか?
肉体面と心理面の双方からとらえる医者はいないと思っています。
それが私がやってきた整体でした。
化学的根拠とは、一つの概念を表わす状況が実際に発生し、かつその状況を再現出来て初めてその概念が有効になることを言います。
でも再現できるわけがない。ひとりひとり違うのだから。
心の現象によって身体に症状がでる。これは事実です。この十六年で毎日のようにありました。
整体師にはエビデンスなんていらない。いるのは『パーソン・センタード・ケア』です。