相変わらず窓の外から色んな音が聞こえてくるけど
鳥の声や人の動きは良かったんだけど
うぃーん、っていう
ショベルカーの音は、ちょっと嫌だな。
ぼくはリビングでぶつぶつとつぶやく。
「まぁ、始まっちゃったしね。
良い人が越してきてくれれば
良かったと思うかもよ」
ママもお茶を持って、ぼくの傍にやって来る。
「そうそう、この間の花壇の植え替え、
すごく良くなったんだよ」
ママはスマホを取り出した。
「これが、」
「こーなって」
「こーなったわけよ」
ママは、すっす、とスマホに映された写真を進ませる。
へぇ~
ずいぶん奇麗になったね。
「でしょ?
やる前は、そのままでもいいんじゃない?って
思うんだけど
やっぱりやったからには良くしよう、って思うと
良くなるものなのよ。
きっと、隣で工事してる人も
良くしようと思ってやってる。
そして越してくる人も、楽しく暮らそうって
思ってやって来るよ」
そうなの?
わかんないけど、ってママはお茶をすすった。
だといいね、ってぼくにほほ笑む。