明るい茶色のシマシマは、風と共にさりぬ

少しずつ新しいお家にも慣れてきて、
パパに励まされて、
ちょっと落ち着く場所もできて
ぼくは、ふぅ、とため息をついた。

この場所は風が通り抜けて、気持ちがいい。
前の家みたいに、車が走っているところは見えない。
とっても静か。
鳥が鳴いているのがよくわかる。

鳥を眺めていると、下で何かが通り過ぎるのが目に入った。

明るい茶色のシマシマ。
しっぽがある。

え!
ええ!

こんな近くで、外の猫に会うのは初めてかも。

食い入るように見つめる。

ゆったりとした足取り。
余裕を感じる後姿。

ここ数日、うじうじしていたぼくにはないものが
流れている。

ぼくは勇気を振り絞り、声を出した。

「コ、コニチワ!」

思ったよりも大きな声になって、
なんだか変な中国語みたいになった。

彼はゆっくり振り向いて、こう答えた。

「おぅ。新入りか?」

「は、はい!
 なーちゃんって言います!
 最近引っ越してきました!」

彼は首だけを後ろに向けていたのだけど
ふ、っと笑うと
そのまま進んで行ってしまった。

ぼくは突然の出会いにドキマギして
か、かっこいい~
と声を漏らして
いつまでも後姿を見送った。


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