ヘッドどろーっぷ!
おっとあぶない。
パパが寝ているぼくに頭を落としてくる。
ヘッドどろーっぷ!
さっ。
もう。
やめてよ。
どんなにぼくがよけても
パパはくじけず、ぼくに頭突きをしたいらしい。
下が布団だからパパの頭は
ぼすっ
という音とともにぼくの直ぐわきに埋まる。
「もー、なーちゃん、逃げないでよ」
パパはぼくを仰向けにして肩を抑えた。
この体制、ぼくのほうが有利なの、知ってる?
ぼくは手加減なく
けりけりけりけり
と足を動かした。
「あー!なーちゃんずるいぞ!」
ぼくとパパは取っ組み合いになった。
「はいはい、父と息子のプロレスごっこはおしまいの時間です。
消灯!」
と言うと、ママは電気を消した。