あの日からパパもママもぼくも、
なんだか少し落ち着かなかった。
ママに言わせると、世の中の人がみんなそうらしい。
パパの職場はキャンセルが相次いで
パパは、仕事がないよ~、と言って
早く帰ってくるようになった。
ママの職場は不安を抱える人が増えて、
逆に忙しくなった。
ママは、こんなに不安な人だらけで、
パニックが起こらないのが不思議なくらい。
自分ができることは
コツコツと淡々とやることだ、と言った。
ぼくはまだ、時々くる小さな地震にドキドキして
1人でいるときは納戸で過ごすようになった。
そして、あの日から2週間くらいして
パパは長年勤めた職場を辞めた。
そして、さらにもう2週間くらいして
ママのママさんが末期ガンだと連絡が入った。
ママは、もー!と叫んだ