ぼくもなんだかよくわからなかったし
パパとママもなんだかよくわからないまま、
2人と1匹で暮らし始めることになった。
「ところであんた、おしっこは自分でだせるの?」
ぼくは目ヤニで目が開かなかっただけで、
視力がないわけではなかった。
目薬を差してもらって、
鼻を拭いてもらって
ようやくぼくを取り巻く環境を目で見ることができた。
ぼくを受け止めた手の持ち主はママで、
そして
これからのこと、について話し合おうとしているみたい。
ママはティッシュを濡らして、
それでぼくの股を突っついた。
そうだ。
お母さんとはぐれる前、
刺激してもらっておしっこがでたんだ。
ぼくはいそいそと、
紙の砂がひきつめられた大きなタッパに向かった。

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