ほら、なーちゃん
ってママはぼくを呼んで、手を広げる。
「なんか、大きくなったよね。
うちに来て、4日ですが。
こんなに成長著しいなんて、きんぎょずよりもすごい」
ママが広げた手から、ちーちゃんがむずむず動く。
えっと、顔はどこ?
これは?お尻?
「ぐにゃぐにゃしてるんだけど
毛布よじ登って来れるの。
見えないのに、すごいよね」
ママは鼻息を、ふー、と吐いた。
「けっこうミルク飲む量増えて来たし、
間隔もちょっと開くようになってきたし
目が開くまで、あと1~2日ってところかな」
ウトウトしだしたちーちゃんを籠に入れて
ちょっと、今のうちに、トイレに行って来よう
とママは立ち上がる。
マグカップよりもまだ小さい。
ぼくはちーちゃんの匂いにも慣れた。
きっと、ちーちゃんもそうじゃないかな。
トイレから戻ったママに、タッパに連れ戻されたちーちゃんは
みぃ
と小さく鳴いて、こっちが頭です、
と言わんばかりに顔を出した。