ママが卵を持って帰ってきた。
それは青い卵だった。
「大寒の日に産まれた卵なんだよ。
これを食べると今年1年健康でいられる、って言われてるの。
わざわざ割れないように手で運んで来てくれて
その気持ちだけで、健康でいよう、って気になる。
有り難いなぁ」
そうだ、早速卵かけごはんにしよう、ってキッチンに持って行った。
何年か前にも見たことがある、とぼくは思い出した。
ママが仲良くしていた風水師の人が
ママのお店の近所に居た頃だ。
移転をしてなかなか会えなくなって
4年になる。
コロナよりも前か。
風水の色んな知識を多くの人に広めてた。
そこで学んだ人たちがママのお店にやってくると
こうして当時の気配を感じる。
卵を持ってきてくれた人は
ママと台湾で出会った。
色んな縁が今に繋がるんだね。
どれどれ、ぼくも食べよう、と言うと
ママは、なーちゃんはダメです、って断った。