寒い寒いと思ったら雪が降ったらしい。
ぼくは見なかったんだけど
ママ見た?
「残念ながら。
でもパパちんのところは吹雪だったみたいよ」
えー?
吹雪?
それは北海道とか山の奥とかそういうところで起きるんじゃないの?
せっかくヌクヌクしていたのに
驚いてぼくは起き上がる。
吹雪って、聞くだけで寒い気がする。
「パパちんの職場は山の上だもの。
それでもゴルフする人いるんだって。
外のスポーツは過酷よね」
ブルブルっとママも震えている。
「ほんと、寒い中で温かいご飯を出してあげる仕事とは
神のようだ。
パパちん、けっこう偉いなぁ」
うむうむ、とママは頷いた。
そうなの?
ぼくは温かいご飯なんて食べた事ないけど
時々ママがお湯を飲ませてくれる。
それはちょっとホッとする感じだった。
そういうこと?
「そうよ。お腹が温まると気持ちが良いの」
ふむ。
ぼくは自分のお腹を見る。
ここが温まると、眠くなる。
そういうことか。
いやいや、なーちゃんはいつでも眠たいじゃない
ってママは肩をすくめていた。