雨水貯水タンク付きパーゴラは建つのか

いやぁまったく毎日色々あるもんだ、
とママがビールを冷蔵庫から取り出している。

ビールを取り出すには何か言わないのいけないのかと思うくらい
ほぼ毎日冷蔵庫の前でため息をついて
ビールを手にして
それからほほ笑む。


いったい何の儀式?

ぼくは陰からこっそり見てる。

「採択してから議論だなんて。
 でもしょうがないのかな。
 筋は通ってるのよね。
 相手の思う事とこっちの思う事が一緒だなんて有り得ないからなぁ。
 すり合わせは慎重に、か。
 そんなに高いと思いませんでした、ってさ」

とママはぼくに話しかける。

やっぱりぼくに話していたのか。
しょうがない。聞いてあげよう。

「プランターの固定工事とパーゴラ製作費が高すぎて
 緑の予算よりも上回るのはダメた、って。
 プランターの固定工事は止めるから
 プランターの制作だけはやらせてよ、って
 ゴリ押ししてるの。
 そのパーゴラ自体も貯水タンクに雨水を貯めるものなんだけど
 本当にその場所で貯めることが出来るのか
 もう一度見に来るって。
 見て納得してもらえるように、片づけをしました」

どうこれ、スッキリした感じに見える?とママは写真を見せる。

うん。スッキリしてる。
でもここって。

「そうよ。ジャングルだったのよ。
 パーゴラが置けるように片付けて
 プランターが置けるように片付けて
 雨が当たるように木蓮の枝も片付けて見ました」

ママはグビっとビールを飲んで、不敵に笑う。
片付けるって。
便利な言葉だね。
ぼくはママをチラリと見る。

「公には言えない単語もあるけれど
 片付けました、はアリだからね。
 これで明日雨が降って、この場所に雨が当たる写真が撮れれば
 証拠は揃った、ってとこかしら」

花壇の片づけは大変なはずなのに。
ビール1本ですべてチャラ。
それがママのやり方か。
ぼくは呆れるのを通り越して、ビールってすごいね、と感心する。

「やっと土木から治水への申請も出してもらえることになったし。
 なんでここが難航するのかわからないけど
 これも何とかなった。
 あとはあちこちの書類をかき集めるだけだ」
と言うと、ビールを飲みほした。

とにかく無事に土用を迎えられたみたい。
土いじりはしばしお休み。

色々話は聞いたけど
ぼくにはそれくらいしかわからないや。


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