おでこが温かいと眠くなるんだよね。
「いやいや。
おでこ出してる時だって、寝てますけど」
そうだけど。
ぼくはコタツ布団の上で
つまりは、ママの膝の上で、丸くなっている。
いや、長細いか。
重い、重い、
とママはもぞもぞ動く。
「でもね、なーちゃんが膝に乗っている人は
動かないで良い、っていうルールだから」
パパちゃん、柿むいて~
ってママはパパにお願いする。
ずるいずるい、なーちゃん、こっち来てよ
ってパパはぼくを自分の膝に乗せようとした。
「だめだめ。
なーちゃんに選ばれた者勝ちだから」
しっし、とママはパパの手を振り払う。
でかしたぞ、なーちゃん。
ママはぼくの耳を引っ張った。
「あら、あんた、なんかこんがらがってる。
あんよがお手手とぐるぐる」
ん。
まぁ、よくある。
なんて話をしているとパパが柿をむいて戻ってきた。
「はい、なーちゃん、どうぞー」
ってニコニコしながら、ぼくに差し出す。
いらない、って。
ママは、ははは、楽ちん
って笑ってその柿を奪って食べた。