「オンライン整体、作っといて良かったな~」
きゃぴきゃぴとママが布団に転がり込んできた。
もう。ぼく寝てたのに。
しょうがないからどいてあげるか。
「今日はね、大学の時の同期と後輩夫婦がオンラインに来てくれてたんだよね。
オンラインやってなかったら、もっと年取るまで会わなかったんじゃないかな」
ゴロゴロとダルマのように転がりながら
ママはぼくに話しかけている。
もう。
こたつに行こうと思ったのに。
しょうがないから聞いてあげるか。
ちゃんと仕事したの?
喋ってばっかりじゃないの?
「だってオンラインは喋るのが仕事だし。
前回の宿題も真面目に続けてくれてて結果も出てたし。
新たな宿題も出したし、次回が楽しみなのよね」
うふふ、変化して行く人って素敵、とママは話を止めない。
もう。
でも良い事があった証拠なんだよね、ウキウキ話し続けてるって。
どうぞどうぞ、話し続けて。
通常だったら会う機会のなかった遠くの人とも会えるオンライン。
ぼくの知らない世界だけど、だんだんそれにも慣れてきたみたいだ。
ぼくはもう諦めて、新しい世界の話でも聞くかと
もう一度座りなおした。