毎朝ママはお線香をあげているけれど
それは3本あって
1本は、パパの男性先祖に
1本は、パパの女性先祖に
1本は、これまで縁のあって亡くなったすべての人に
って事なのはぼくも知っているけれど
時間を空けて、また1本火をつけた。
それは誰にだったの?
「突然亡くなった、ママのお店のお客さんにだよ。
ウチにきた次の日亡くなった、って。
ギリギリの中で最後にウチを選んでくれたのは
凄い事だなと思って。
眠れないって言ってたんだけど
あの日、施術中、ちょっと眠れたんだ。
あー、楽になった、ってちょっと笑って。
それくらいしかできなかったから
お線香も上げちゃう」
・・・。
ぼくにもいつかお線香、くれる?
と聞くと、山盛りで上げるわよ、と返って来た。