「変わらない物なんてないのよ」
とママは言う。
変わらないで欲しいけど、とも言う。
「大昔から言われてる事だからね。
非常とは日常ではないという事だけど
無常も同じで常ではないってことで
それはすべての事に対してで
それには自分も含まれる。
常であり続けたいけど常に近づけることしかできないし
でもその努力は実を結ぶ」
うむうむ、と頷いている。
ぼくには何を言っているのかさっぱりわからない。
「変わっていってることを認めて
どう変わっているのか知って
どこを変えたら昨日に近づいて明日になるか、なんだよね」
うむうむ、と頷いている。
説明してくれたんだろうけど、相変わらずさっぱりわからない。
もう。寝ちゃおうかな。
「知った時にはおろおろするんだけど
おろおろしたら受け入れる。
そうすると平常になる。
平らになるんだよ。
如何に平らにするかが難しいんだけど。
そのためのトライ&エラーで、
繰り返すことで平らにするのだ」
うんうん、と頷いていると思う。
もうぼく寝ちゃったから知らないけど。