ここ数年、音信不通になっていた友人が亡くなってた、とママは言った。
それも交通事故だった、って。
「年明けに、ニュースで見た事故だったんだ。
まさかそれで亡くなった人が知り合いだったとは」
うーむ、と目を閉じている。
え。そうなの?
うん、とママは頷いた。
「なんの因果でそんなことになるのかなぁ。
突然って誰にとっても衝撃。
やっぱり死ぬ時は受け入れて迎えたいものだ、と
改めて思った。
誰でもその日は来るけど、心の準備が出来る時間は
欲しいと思う。
それが持てなかったのは残念だよ」
残念だ、としか言いようがないのが残念だ、と呟いて
布団に倒れた。
ぼくも言葉なく、爪を噛んだ。
ご冥福をお祈りする事しかできない。
歯がゆいって、こういうことを言うんだね。