何かいつもと違う朝だった。
いや、いつもと同じなんだけど、何か違っていた。
それは、ママが帰ってきてわかった。
「あのんが今朝、虹の橋を渡ったって。
長い事頑張ったなぁ、2人とも」
やっぱり。
そうだったのか。
ぼくは会ったこともないし
ママも会ったことはない。
でも状況は聞いていた。
癌で闘病中の猫だった。
ママの友達の家に居た。
ママの友達も看病でずいぶん痩せて。
ただ見守る事の苦しさが綴られたLINEが良く届いていた。
でも2人とも、もう苦しいのは終わったんだよね?
「そうだね。
お疲れさまでした、としか言いようがないけど
ほんとによく生き切ったし
よく見守ったなぁと思う。
あたしたちも頑張ろうね」
ママはぼくの背中を
ポンポンと叩く。
そうだね。
ぼくもうなずいた。
ぼくたちにもいつか来るその日を
経験した2人に敬意を払って。