落ちた先は人間の手のひらだった

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ひぃ、という小さな悲鳴の後
しばらくして、えぇぇぇぇぇぇ、
という声が聞こえた。

ぽとっ、という音さえたたないほど
軽かったぼくの身体は、
アスファルトではなく人間の手に落ちたようだ。

その声の主はしばらくオロオロとした後、
ぼくを布のような物の上に置いてこう言った。

「ちょ、ちょっとタイム。
 すぐ戻るから、待てる?」

待てるも何も、
ぼくの首はぼくの頭を支える力もなく、
ただうなだれることしかできない。

待っていてもいなくても、
ぼくには動くことさえできなかった。

走り去る足音だけが、耳に届いていた。


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