
080911_1545~01
ひぃ、という小さな悲鳴の後
しばらくして、えぇぇぇぇぇぇ、
という声が聞こえた。
ぽとっ、という音さえたたないほど
軽かったぼくの身体は、
アスファルトではなく人間の手に落ちたようだ。
その声の主はしばらくオロオロとした後、
ぼくを布のような物の上に置いてこう言った。
「ちょ、ちょっとタイム。
すぐ戻るから、待てる?」
待てるも何も、
ぼくの首はぼくの頭を支える力もなく、
ただうなだれることしかできない。
待っていてもいなくても、
ぼくには動くことさえできなかった。
走り去る足音だけが、耳に届いていた。