午前中で風が治まったからか、ママは
お花見しようよ
とぼくを誘った。
「メジロが来たよ。春だねぇ」
と窓の外を指さした。
ほんとだ。
毎年やって来る春の便りは花だけじゃなかった。
ママはウッドデッキにクッションを干している。
どれどれ、とぼくも外に出た。
暖かい。
お日様は毛布より温かいって、1年ぶりに思い出した。
庭の山桜桃梅も咲き始め、春っぽい顔をしている。
ママもお茶を入れて、日向にやって来た。
いいよね、こういうの。
花も陽も、さぁどうぞ、と迎えてくれてるみたいで。
お日様に包まれて、眠るって最高。
「おやおや?花を見ないのか?」
とママは呆れていたけど、これがぼくの花見で候。