じゃぁね、行ってきまーす
ママがバタンと玄関の戸を閉めた。
ぼくは急いで2階に上がる。
ママが自転車のカギを開け、玄関前に移動し、
乗り込む音がする。
ぼくは急いで出窓に移動する。
見えた。
ママが自転車にまたがって
坂を下っていく。
風がママの髪をそよがせ
あっという間に姿は見えなくなった。
いいなぁ。
風の中を下って行くって、どんな感じなんだろう。
いつか、ママの自転車の籠に乗せてもらおうかな。
きっとママは
この日を待ってたぜ!
ってウィンクする。
でも、まだちょっと怖い。
赤い自転車。
あこがれる。