耳は触ってもいい

お尻と尻尾はやめて欲しいけど
耳は触って欲しい、と思っている。

それをパパはわからなくて
ママはわかっている。

「ずるいよ、なーちゃん
 ママちゃんにだけ怒らない」
ってパパは文句を言うけど
それはパパが触りたいところを触っていて
ぼくが触られたくない所だからだよ。

「なんでパパちんは自分のしたいことを
 しちゃうんだろうね。
 なーちゃんがして欲しい事をすれば
 怒らないのに」
ってママは首を傾げる。

逆になんでママはぼくのして欲しい事がわかるの?
と聞いてみた。

「え?自分がもし、なーちゃんだったら、って思うから。
 なーちゃん、摘まむってできないじゃん」

確かに。ぼくは自分の手で
自分の耳を摘まんだことがない。

「痒いんじゃないかと思って」

確かに。ちょっと痒いな、と思って
乱暴に足で掻く。

「そうなのか、じゃぁオレもやってあげる」
パパはウキウキぼくの耳に手を伸ばした。

もう充分です。しつこいのは嫌い、
と断ると
ほらー
もー
贔屓だー
ってパパは不貞腐れた。

そうじゃないんだよ。
適度を知って欲しい。


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