「邪魔なんですけど~」
へ?
ぼくの事?
「あなた以外、いないでしょー」
ママはお盆に夕飯を乗せて立っている。
「どうてよどいてよ」
あぁ、テレビがみえなくて、じゃま、っていう事じゃないのね。
とかなんとかやっている時だった。
どかん、とまた床下から突き上げる音がした。
パパもママも、ひゃー、って言ってきょろきょろする。
そして聞き覚えのある唸り声と
竜巻の様に去っていく気配。
「また白黒パンダちゃんとしまちゃんか」
ママは、大丈夫かな、とつぶやく。
「すごかったね、今の。
頭で床、突っついたなら脳震盪ものだよ」
パパも、目を丸くして首を振る。
それにしても、どこから床下に入るんだろう。
きっと真っ暗だ。
「丁度真上にコタツがあるから、
案外この下、温かいのかもしれない。
雪も降ったし、温かい場所を探して、
で、鉢合わせちゃったのか」
喧嘩しないで仲良くできないものかしら、
とママも首を振る。
ぼくも、しまちゃん、大丈夫かな、と思う。
でも、ぼくにはどうすることもできない。