「二転三転にも慣れてきた」
とママは万歳している。
やったぞ!の万歳なのか。
お手上げの万歳なのか。
あればお手上げの方だな。
「協定を結ぶほどの事ではない、って言ってた土木事務所が
同意書は書けないけど覚書を出します、って話になってたんだけど
やっぱり全部県の許可を取って来て、って言いだしたの」
え。また?
ぼくですら固まる。
ママはせっせと花壇の剪定も済ませ
事前準備を進めていたのに
またストップって事になる。
良いって言ったり
やっぱりダメって言ったり。
そりゃお手上げだ。
「責任を取れない所に許可を求めた結果だもの。
最初から県に行けばよかったんだけど
道筋が分からなかったからね。
相手も初めての話だから
どこまで自分で決めて良いのかわからなくて
途中まで引き受ける気でいたんだけど
やっぱり引き受けれない、ってなっちゃった。
前例のない事をやろうとすれば
色々決まりを作って行かなきゃいけないもんだね。
そりゃスムーズには行かない。
でもこれでスッキシした。
すべては県へ」
おー、とママは拳を上げている。
よくまぁ心が折れないもんだ、と
感心を通り越して
ぼくは呆れちゃったよ。