「歴史的建造物には張り出し基礎はなかった」
ん?
何の話?
あぁ。花壇を作ろうと思っている所に隣接する街灯か。
「そう。街灯に寄せて花壇を作ろうと思ったら
基礎同士がぶつかりませんか?って聞かれてて。
掘ってみたのよ。
どこまで基礎があるか。
そしたら無かった。
ストンって真っすぐ」
そこには花が植えてあったのに。
抜いたの?
「抜いて戻した。
せっかく調子よく雨が降って元気だったのに。
ガッカリだけど確認はしなきゃいけないし。
でもこれで、寄せて花壇が作れる」
うん、とママは頷いている。
枝を切って落ち葉を片付け
雑草を抜いて水を撒いて。
さらには発掘調査まで。
緑を育てるって大変だ。
「街中の緑だからだよ。
これが草原なら、どってことないのに」
あーあ、でもまた1歩前進、ってママは万歳してる。