「あれ、シタちゃん。
最近よく来るね」
ママが窓の前にしゃがんで
喋っている。
そういえば、一時シタちゃんは全く来なくなり
そのころは白黒パンダちゃんが全盛期で
しまちゃんはそれでも頑張って来ていて
ミミちゃんもちょこちょこ来ていた。
「シタちゃんはおしゃべりしないから
どこでどう生きているのか
わからないんだけど」
とママはシタちゃんに話しかけるけど
相変わらず舌を出したまま
じっ、っと見るだけだ。
ぎょぎょっとママは仰け反った。
どうしたの?
ぼくも窓に近づく。
「シタちゃん、背中、剥げてるんだけど」
ママは目を丸くする。
ほ、ほんとだ。
それは、どこかで擦りむいた、とか
ぼくが剥げた時とは違って
なんか、痒そうな剥げ方だった。
皮膚病?
ってママはぼくを見る。
シタちゃんは全く気にも留めず
べ
と、また舌を出して立ち去って行った。