玄関開けたら秒で花

ママがせっせと花の移動をしている。

摘んで活けているのではなく、バスケットごと移動している。

「ちょっと、なーちゃん来て来て」

日向ぼっこ中のぼくは、またか、と思いながら目を開ける。
眠いのではなくて、眩しくて目が開けられない。

うっすらと開けた目には
手招きするママが映る。

しょうがないな、と立ち上がり、
呼ばれるままに玄関に移動した。

開けられた玄関から見えたのは、花畑だった。

「玄関開けたら花畑、って夢なんだけど
 道路は畑にはならないから
 敷地内で出来ることをしてみました。
 ビオラって結構香るのよね。
 朝から良い匂いって良いよね~」
と、ママは鼻を高くしている。

ぼくも、おぉ、と声が漏れるくらい
殺風景だった景色に色が付いた。

玄関開けたら2秒でご飯、ってCMを見たことがあるけれど
それは入ってくるために開けることで
ママの「開ける」とは、出発を意味していた。

「出発前に目にする景色は、花だらけが良いのよね。
 また帰って来ようって気にならない?」
とママはぼくに聞いたけど
ぼくは出発することがないから
よくわからない。

でもずっと居たいな、って思った。


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