物語が沁みる

「ふーむ。なるほど。
 空前のブームになってるのもわかるなぁ」

珍しくママがテレビの前に貼り付いている。

その間にぼくはご飯ご飯♪

テレビ画面には話題の『鬼滅の刃』が流れている。
ちょっと前に録画してて、でも中々見れていなかった奴だ。

「構成も物語も素晴らしい。
 これはきっとダイジェストなんだろうけど
 ちゃんと内容がわかるし
 これだけ見ても意味が分かる。
 鬼にも色んな気持ちがあって今があるっていうのも
 胸が痛くなるし
 炭治郎のこれから感とか
 まだ絶対的に強くないところがいいというか」

ふむふむと頷いている。

ふむふむ、今日のご飯はターキーだな、なんて
ぼくも唸る。

「やっぱりあたしも物語を描き始めよう。
 なんかさ、緑アップを一生懸命やってて
 それはそれで楽しいんだけど
 この前米沢さんに言われちゃったんだ。
 『色々頑張っててすごいと思う。
 でも可哀そうにも思う。
 あんなに楽しく通っていた小説教室に行けなくて』って。
 そうなんだよね。
 自分は自分でやりたいことがあったのに
 ちょっと頑張る方向がずれちゃった。
 そろそろ修正しなくちゃ」

米沢さんとはママのお店に通って10年以上の付き合いのお客さんだった。
年は親子ほど離れているけど友人、ってママは言う。

ぼくは何でもいいから頑張ってればいいのかと思ってた。
それでいいんじゃないの?

「それはそれで良いと思うんだけど
 やっぱり自分の軸は自分の軸で回していかないと
 何かあった時に不満に変わっちゃうからね。
 両輪で回していこうと思った。
 大変だけど、やりたい大変をやるわけだし
 それはヤリガイとも言うし。
 人の応援だけじゃなくて
 自分の応援もしよーっと」

やっぱり良い物語を知るって良いわね、と言って
ママはテレビを消した。


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