「ちょっとちょっと。
そこ入らないでよ」
ママが、あーん、もう
と首を横に振る。
ぼく紙の山って、好きなんだよね。
かさかさ、って音が心地いい。
ぼくのために山にしてくれてるんじゃないの?
「そういうわけではない」
ママは鼻息を強く吐く。
それ、ぼくの真似?
「紙袋は紙ごみの日に出さなきゃいけないから
まとめてるの。
ちなみに、全部、あたしが買い物した紙袋ではありません」
そうなの?
「なんやかや頂きまして。
それをもらってすぐに袋をポイってできないのよ」
ママは律儀なんだかなんだか。
でもそろそろ、なんでしょ?
「はいはい、やりますよ、もぉ。
なーちゃんに片づけをせかされるなんて」
ぼくは、ニヤリとした。
ぼくとしては、片づけを手伝ってるつもりなんだけど。
ひー
でたー
パパちん流スパルタ攻撃ー
でも捨てに行くのはあたしー
ママは久しぶりに天井をむいて、叫んだ。