ママさーん
ママさーん
「あらジャック、おはよう
ご飯かね」
おう。悪いな。助かるよ。
オレは大人しく座って待った。
小雨がちらつく。
まだまだ寒い。
ちぇっ。早く温かくなんねーかな。
ママさんはお椀を積み重ね
食べやすい高さで出してくれる。
助かるぜ。
「ねぇ、ちょっと。
顔、腫れてない?」
ママさんはオレを覗き込んだ。
ん?あぁ。まぁな。
「何よ。痛くないの?」
痛くないわけないわよね、とママさんはオレを見つめている。
痛てぇよ。
だけど、仕方がない。
寒いし。
だけど、仕方がない。
うーん、とママさんは唸った。
「どこかのお家の窓が開いていて
その隙間から入ろうとして
閉められて
挟まった、という感じがするんだけど。
目、視えるの?」
オレはご飯を食べるだけで精いっぱいだ。
そうだったかもしれねーな、と呟く。