「ちょっとなーちゃん、酷いんじゃない?」
ママが腰に手を当てて立っている。
何が酷いの?
「お布団に入っているならこたつ要らないじゃない」
もう、と言うと布団の上に腰を下ろしている。
要るよ、いるいる。
こたつはこたつで良いし
布団は布団で良いんだよ。
どこに行っても温かい場所があるって安心なんだ。
そうだけど、とママは口を尖らす。
「また2・3日暑さが戻りそうだよ。
30度とは言わないけど。
まったく今年は極端だからなぁ。
徐々に、という言葉はどこに行ったのよ」
ママは肩をすくめて下に降りて行った。
まぁね。極端だけど、しょうがない。
これに慣れて行かなきゃね。
ママは夏の花と冬の花を隣並べてた。
今がどっちかよくわからないけど日ごとに違うのも良いかもね。
どっちも楽しめるし。
毎日朝起きてから今日は夏かな冬かなって考えるのも面白いと思う。
嫌だな、と思うとぐったりするけど
面白い、と思うとワクワクする。
今日は夏かもしれないな、お日様が温めてくれるのが一番気持ちいいかも
と思ってぼくは布団から出た。