毛づくろいをしなくなった

ママは、しまちゃん用とミミちゃん用、と言って
お皿を二つに分けて、クチャクチャご飯を入れて待っていた。

窓の隙間からしまちゃんが顔を覗かせ
するりと中に入ってくる。

しまちゃんの尻尾は相変わらず
垂れ下がっている。
そしてしまちゃんらしくないほど
毛づくろいしていなかった。

こんなに汚れたまま、ご飯を食べに来ることは
今までなかったんだ。

ぼくもママも黙ってしまちゃんを見守る。

「しまちゃん。身体ゴシゴシ、しようか?」

ママは勇気を出して声をかけた。
濡れたタオルで身体を拭いてあげようと思ったみたい。

しまちゃんは小さく頭を振り、
ちょっとだけ、休んで行ってもいいですか?
とママを見上げた。

夜になって、ママはパパにしまちゃんの写真を見せた。
パパはゆっくり顔を振り
「自分で毛づくろいできなくなったら、もうダメなんだよ」
と伏し目がちに言った。


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