「むむむ
そんなに堂々と居座られると
もとからそういうものだったみたいじゃないか」
ママが窓辺でブツブツ言っている。
どうしたの?
ぼくはトコトコとママに近づいた。
あ!
昨日の!
この子、ママのプランターで寝てた!
ママは目を細める。
「知ってる。
あそこトラちゃんも好きだったよね。
キャットミント同様、ワイヤープランツも
お外のニャンコに大人気。
って、おい」
ママは自分に突っ込む。
「そりゃ寒いだろうと思って
段ボールを置いているんだけど
本当に入っていると驚くね。
ちょっと具合も悪そうだから
追いやる気はないけど」
うーん、とママは窓を睨んでいる。
そんな気配に気づいてか、起き上がって
はいはい、とため息をついている。
「いやいや、どかなくてもいいのだよ。
あたしがどくからさ」
と言うと、ママはそっと窓から離れて
仕事に向かった。