でっかちゃんの具合は心配なのだけど
ぼくにはしてあげられることがない。
心配だ心配だ
と言っても
取れたしっぽがくっつくわけでもない。
大丈夫?と聞いても
大丈夫、と言って欲しいだけな気がする。
聞いておいてなんだけど
大丈夫じゃない、って言われても
なにもできない。
最近、昔の事を思い出してて
そういえばぼくは、あまり感情がなかったんだな、って。
寂しい、とか、嬉しい、とかよくわからなくて
でもパパとママと一緒に暮らして
色んな感情を持つようになったと、思い出した。
2人が居なくて、寂しいな、って思ったり。
でっかちゃんが、元気になるといいな、って思ったり。
何が良いんだろ。
また3匹でぼくの事からかったりするだけなんだけど。
そんないつもの毎日が
変わってしまうのが、嫌なのかな。
でも変わっていくのは止められない。
ばぁちゃんも居なくなって
ちーちゃんも居なくなった。
でっかちゃんも?
「できる限りの事はしたい。
でも、止められないものも、ある」
ってママは遠くを見つめてた。