月は満ちた

今朝ママはウロウログルグルして
ぼくを追いかけたり
と思ったら途中で止めて
コーヒーを飲みだしたり
いや、でもさぁ
と呟いていたり
ぼくから見たら挙動不審なまま出かけて行った。

そして帰ってきて、キリっとしている。

なんなんだろ。

ぼくはマットに乘りあがり、
で?とママに訊ねた。

「玉砕覚悟で、電話をかけて
 押しかけて来た」

ママはぎゅっと目に力を込めている。

「相手が何を嫌がって
 何ができて何ができなくて
 どんな生活を送っていて
 どれだけ目配り気配りができる人か
 知ってる。
 だから押し付けるんじゃなくて
 相談したい、って言ったの。
 さらし、持って」

え?あれ、やろうと思ったの?
ぼくはママがパパの膝にさらしをグルグル巻いたのを
見たことがあった。
それは太ももの上の方から足首まで
まるで大けがをしたかのような姿になる。

「そう。でもあれ、膝曲げられるんだよ。
 でも固定力もあるからやられているほうは
 苦しいし動きも制限されるし
 制限しなきゃ負担がかかって痛みがでるんだけど
 パパちんだって続けられなかったんだよね。
 それをその人にやるのは無理だろうな、って思ってたんだけど
 やっぱり、こういう方法もあるって言うのは
 伝えないと、って思って。
 ひとつひとつ話し合いをして
 本人も納得して、自分が選んだ方法を確認しないと
 あとで後悔すると思う。
 それを照らし合いながら
 あたしができることを提案して
 選んでもらって、一緒にやっていくんだよ、って。
 今できる最善を尽くそうと思ってる。
 向こうはさ、それじゃ先生に負担をかける、って言うから
 もう、緊急事態だ、って言い返してきた」

えへへ、とママは寂しそうに笑う。

と、言う事はさ、
ぼくは目を細くした。

また帰りが遅くなったり休みでも出て行ったり
朝早く出て行ったりとかになるんでしょ?

なりますねぇ、と言うと
ママはポンポンとぼくの背中を撫でた。


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