整体師が神頼みなんて

「会って来ちゃった ♪」

ママはワクワクとドキドキと
混ざったような顔をしている。

お休みなのに、朝早くからいないから
どこに行ったのかと思ってた。

で、誰に?

「少彦名命でござる」


誰それ。

「何をどう調べたら良いもんか、と思ってて
 なーちゃんの言う、安心、ってどうしたら
 思えるようになるのかな、って。
 そしたら、飲むお守りって言うのがあるって知って。
 体の中に、お守りが入って
 神様の目印になるのかな、って思ったの。
 誰かが神様に、助けて!って言っても
 神様だってすぐに見つけられないでしょ?
 目印が付いてれば、見つけてもらえるよ、って。
 これで安心できるかな、って思いまして」

「これを取りに行って、その足で上野公園に出まして。
 会ってみたかったの。
 知恵の神様に」

ママが見せてくれたスマホを覗き込む。
緑に囲まれた神殿が映っている。

まさかママ。
お客さんの痛みを取ってください、なんて
整体師のくせに神頼みしてきたの?
それちょっと、どうなのさ。

「まさか。
 そんなこと言ったら
 自分でやれ!って怒られるんじゃない?
 そこまで図々しいこと言えないわ。
 色んな人の痛みを緩和できる技術と知恵をつけるために
 何を見ても自分に気が付かせて欲しい、って頼んだの。
 テレビを見ても
 雑誌を見ても
 ネットを見ても
 本を読んでも
 見落とさない様にしたい、って。
 今、情報が溢れてるじゃない。
 結構ウソも多い。
 それらに振り回されないように
 きちっと判断できるようになるから、って
 宣言してきたのよ」

お。出た。
ママ、宣言しちゃったんだね。
ってことは、やるんだ。
あーあ、大変だよ。

ぼくはママの真似をして
くすり、と笑った。


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