ほりほり
ほりほり
「なーちゃん、なにしてるの」
ほりほり
ほりほり
ひょいっとパパはぼくを持ち上げて
タオルに乗せなおす。
だって、ママが
気になることは掘り進めないと
って言ってたんだもん。
「なにか気になったの?」
うん。
ばぁちゃんの香りがした気がして。
「あぁ、そのタオル。
お義母さん使ってたなぁ。
でもね、ほりほりすると、
タオルに穴が空いちゃうかもよ。
ママ、怒るんじゃない?」
それに、ほんとに掘っちゃうのは、ダメ
ってパパはぼくの耳を引っ張った。
そうなの?