ぶー
ぶー
ぶー
「なに、なーちゃん。
ぶーぶー言って。
お行儀悪いし。
どうしたの?」
パパが心配そうにぼくを覗き込む。
だって。
ママ、ひどいんだよ。
ぼく、ちゃんと使ってるアピールしたのに。
ぜんぜんわかってくれないの。
「キャットタワー?
登ったのに、捨てるって言われたの?」
パパは自分の事のように、驚く。
きっと、他人事じゃないって思ってるんだ。
パパも捨てられちゃ困るもの、いっぱいあるんだね。
ぼくはゆっくりと身体を起こした。
一番上まで上がらないなら、低くしていい?って。
ぼくは涙目でパパに訴える。
えぇぇぇ、ひどい、
とオロオロしながら、ぼくの頭を撫でた。
「大丈夫だよ。
いくらママだって、そんな酷いことしないよ。
別にあったって邪魔でもなんでもないのにねぇ」
ねー、ってまたパパはぼくを覗き込む。
ママの鞄におしっこかけちゃえ。
パパはぼくをけしかける。
うん。最終手段は、そのつもりでいる。
ぼくは鼻息を強く吐いた。