ばぁちゃん、何してるの?
とぼくは聞いた。
病気なんでしょ?
寝てなきゃいけないんじゃないの?
ママは仕事に行って
パパはハローワークに行っている。
つまり、いま家にはぼくとばぁちゃんの二人きり。
「できるうちは、お仕事しなくちゃ。
そうでないと、置いてもらう気になれないのよ」
ばぁちゃんは笑っている。
それに、寝てれば治る病気じゃないの。
治す気もないのよ。
と言うと、小さくほほ笑んだ。
え?
治らないとどうなるの?
とぼくが聞き返すと、ばぁちゃんはぼくの頭を撫でた。
寿命、って知ってる?
と目を細める。
ばぁちゃんは、それを最小限の医療だけ借りて
全うしてみようと思ってる。
このみも応援してね。
と言うと、ママみたいにばぁちゃんはぼくにウィンクした。