パパが居ない昼間に、ママがきゃはきゃはと誰かと喋っている。
電話でもしてるのかな。
友達が来てるなんてことは、この時期考えられないし。
ちょっとちょっと、なーちゃん来て
と声がする。
もう、めんどくさいなぁ。
でもちょっと行ってあげるか。
ぼくは重たい腰をあげて下に向かった。
ママがPCに向かってしゃべっている。
ついに。
人に会わない寂しさのあまり、独り言を言うようになったのか。
ぼくはちょっと心配になった。
ん?
その名前は、ママの高校の時の友達だった気がする。
「zoomを試してみてるの。
なーちゃんも顔出してよ」
なにそれ。
ぼくはテーブルに飛び乗った。
「ネット会議とか、流行ってるんでしょ?
コロナ嵐が収まるまでに、色々進んじゃうよね。
社会は停滞しているようで、実は物凄い速さで進んでいる。
知ることを躊躇している暇はないのだ」
あ、ビデオオンになった、と言うと友達の顔が映った。
あー!寝起きじゃないか!
とママは友達に文句を言っている。
ふむ。映像が出ちゃうって、ちょっと大変かもね。