暑い暑いと言ってパパはズボン下を脱いで帰ってきた。
暑い暑いと言ってママはネックウォーマーを外している。
「寒さ対策をしてるのにこんなに暑くなるなんて。
だからと言って薄着で出ると寒いし。
朝と昼の温度差が酷いよ」
もー、とぶうぶう言っていたけれど
ぼくは鼻水が出ている。
風邪ひいたかな。
今日は動くのもおっくうでずっと布団の中にいた。
チュルチュルだよー、って呼ばれても無視してたら
ママが布団まで持ってきた。
パパは、甘やかしてる!と怒ってたけど。
「調子悪い?」とママに聞かれたぼくは、うん、と頷く。
「毎日元気、なんてないからね。
そんな時はジッとしてればまた復活するから
無理に出てこないで良いよ」
と言って頭を撫でる。
そう?
「調子が悪い時は休みましょう、って世の中に変わったんだもの。
なーちゃんもそれでいい。
あたしもそうするし」
ね、と言ってぼくにネックウォーマーをかける。
今日は暖かかったらしいけど、ぼくは寒いなと思っていた。
寝てれば治る?とママに聞くと
治る治る、お休み、と言って電気を消して下に降りて行った。