実現するのか

ママが分厚い本を読んでいる。
そして唸っている。

ん?
本じゃないな。
雑誌?

「カタログよ、カタログ」

「本気でお店のトイレをリホームしようと思って。
 ホームセンターで見積出してもらったら
 すごい高いの。ぜんぜん予算オーバー。
 で、別の所にまた見に来てもらって」

「なかなか難しいらしいのよ。
 古い建物だから。
 小さいんだよね、もともとコンパクトな部屋だし。
 ユニットを全部外して、壁壊して、個室を大きくするか、とか」

これ、と言ってママはぼくにスマホを見せた。
ほんとだ。コンパクトに収まってる。
でもママのお店にお風呂は要らないよね。

「そこなのよ。
 無駄なスペース。
 便座も低いし背の高い人には辛いトイレなんだ。
 13年我慢してきたけど、いい加減やろうと思って。
 でも賃貸物件だからどうかな、って大家さんに相談したの。
 そしたら、あなたの好きなようにやりなさい、って。
 ありがたいよね。背中を押してもらっちゃった。
 コロナの衛生対策として、
 広い手洗い場所が欲しいのよ。
 お店に来て、手を洗いたいと思ってる人は多いし
 顔を洗う人もいる。
 さらには最近公衆トイレを使うのをためらって
 うちのトイレの使用率が上がっているの。
 1人使ったら掃除をするから
 安心なんだと思う。
 でも今のままじゃ、ちょっと間に合わないんだ。
 便座カバーの洗濯が」

あ。ほんとだ。便座にカバーがしてある。
それを毎回?外して?洗濯?
気が遠くなるような作業だ。
それに加えてベッドのシーツもでしょ?

「干す場所が足りないんだよね。
 なのでトイレは除菌シートで拭き掃除に切り替えたくて。
 でもなかなか工事するのは大変みたい」

ほんとにできるかなぁ、とママはため息をついた。

それと並行してネット販売の準備もしてる。
冊子を作ったりエコバックを作ったり
ONLINE整体の動画を編集したりしてるだけじゃなかったのか。

「さらにはパパちんが、夏休みどこ行く?とか聞いてくる。
 もうすっかりコロナも収まった、みたいな感じでさ。
 今月は休み取りたくないのよね。
 パパちんは私が今どんな状態かわからないからなぁ」

はぁ、とママはさらにため息をついた。
あ、ぼくも思った。
給付金100万円入ったのにパパにくれない、とか文句を言ってたね。

「それは2ヶ月お店閉めてた分で、それを今後持続させることに使わないと
 本当に持続できなくなる、ということがわからないからね。
 ボーナスだと思ってるんだよ。
 しょうがないよ、パパちんは経営者をやったことがないから」

とにかく、ひとつずつ片付けて行かなくちゃ、とママは腕を組んだ。


猫との暮らしランキング

関連記事

  1. ずいぶん、しっかりしたんだ

  2. しまちゃんの男気

  3. やっぱりお日様は良いよね

  4. 自律心

  5. お鼻が冷たい

  6. ぼくは寝てるしかできないけど

最近の投稿

アーカイブ

LINEスタンプ販売中!


LINEスタンプ(リンク)


LINEスタンプ(リンク)