ぬーん。
ぼくは今、ママのお腹に乗っている。
それも、起き上がっているママのお腹にだ。
お腹とお腹をくっつけているのでは、ない。
「なに、なぞなぞみたいなこと言ってんのよ」
ママは、こうしないと苦しいから、ってぼくを抱えなおす。
正解は!
お腹と背中をくっつけているのでした!
「・・・。いつもの事だけど」
じゃついでに、だらしないかっこにしちゃお。
やぁね、恥ずかしい恥ずかしい。
と言ってママは椅子から身体をずらし、
上半身を傾ける。
でろーん。
ぼく、これ、結構好き。
「まったく、猫としてどうなのよ。
防衛本能は?
そんなにお腹丸出しで」
ママは眉をしかめる。
「でも、まぁ、ずいぶんこの家に慣れた、ってことだよね。
引っ越してきたころなんて、丸くなっちゃって
お腹なんて出せなかったもんね」
うん。
ぼくは大きくうなずく。
色んな事があったね、ママ。