ママは出張先に歩いていくんだけど
そこで子猫を見かけたらしい。
2匹で遊んでた、って。
「柵の内側に居たんだけど
上手くあの家の子になれると良いね」
柵の内側へは勝手に入ってただけで
野良なんだろうな、ってことは
ママもぼくもわかってる。
でも元気そうだから
近くにママ猫が居るのかもしれない。
ぼくが拾われた時より
ちょっと大きいから
もうママ猫は近くに居ないのかもしれない。
これから冬が来る。
子猫にとって初めての冬が。
せめて今日みたいに暖かい日は
何も考えずに幸せでいて欲しい。
ね、ってママに言う。
ね、ってママもぼくに言う。