多種多様

きんぎょずの卵達は、水槽のガラスに張り付いていて
結局パパとママは集めることをあきらめて
水槽を奇麗に洗った。

卵ってくっついちゃうんだね。
パパは頑張って剥がしていたけど
みんな破れちゃって。

「いやいや、これで良かった。
 実際、金魚の孵化とか、考えるだけでも恐ろしい」

ママは、うんうん、と首を縦に振る。

「水槽の底に網を張って、下で集められるようにしようよー」

パパはどうしても卵を孵してみたいらしい。

ママは、じゃぁ自分でやりなさいよ!と
両手をグーにして下に突き刺す。
なぜ上ではなく下かと言うと
そうしないと危なく殴ってしまうから、って言ってた。

そしてぼくはママの膝の上で、
結局どうするの?と聞いている。

「なーちゃんのご察しの通り
 きっとまたこういうことがあると思う。
 パパの希望もあるし、一回くらいは孵してみたいな、とも思う。
 全部が全部、大人にはなれないから、
 一気に大金魚家族、みたいにはならないと思うんだよね。
 でっかちゃんのお陰で、金魚屋さんとも仲良くなったから
 相談できるところもあるし。
 でも卵がすくえないんだよね、張り付いちゃって。
 産む前に気が付けは対処もできるけど、
 朝起きて、卵だらけ、じゃ遅いんだ」

ママは、うーん、と唸っている。

それでそれで?

ぼくはママの事を良く知っている。
しーらない、ぽい、ってしないんだよな。

「まずは卵がガラス以外の物にくっつけば、移動できると思うの。
 ガラスに着いたままだと、彼ら、食べちゃうし」

え。
鯉ちゃんと白ちゃんは自分たちで産んだ卵、食べちゃうの?

ぼくは、えー、そんな~
なにそれ~
とママの腕に顔を隠す。

「仕方がないであろう。
 彼らは魚類だ。
 彼らには彼らのルールがある。
 孵らないのであれば、食料となるものなんだよ」

ママはため息をついてぼくの頭を撫でた。

「それはそれで無駄がないのかもしれない。
 栄養豊富だろうし、受精してなければまだ命があるわけじゃない。
 今回の感じだと、受精してないと思うんだよね。
 もしかして、両方、メス?」

ママは離れたところから水槽を眺める。

きんぎょずは、普段おしゃべりなのに
ここのところ沈黙を続けている。
彼ら自身、動揺しているのかもしれない。

「でもさ、鯉ちゃんと白ちゃんは同種じゃないんだよね」

え?
金魚じゃないの?

「琉金と和金、って言って
 形も丸いのと細長いのと、違うでしょ?
 でっかちゃんと白ちゃんは同種だったんだけど。
 たとえば、なーちゃんとトラの間で子供ができるのかって言ったら
 わからないよね」

ママはさらに、うーん、と唸る。

ぼくは、ぼくとパパやママ、きんぎょずとは
種族が違うってよくママに言われてたから
なんとなくそうなんだ、と思ってた。
でも同じく生きているから、あまり深くは考えなかったんだけど。
確かに、きんぎょずは水槽の中にしかいなくて
ぼくは家の中にしかいなくて
パパとママは外に出て行ったりして
行動範囲が違う。
でもそれだけだと思ってた。


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