「え?
二人とも心配してた、って?」
ママはストレッチを止めてぼくを見る。
うん。
嫌われてないか心配してたよ。
それに反省もしてた。
ぼくはジャックとトラさんが言っていたことを
ママに伝える。
仲良くできればいいのにね。
ね、ってママもうなずく。
「嫌ってはいないけど
怒っています。
気を付けます、って言いながら
何度もやるから。
だって6時前よ。
いい加減、隣のおばぁちゃんに保健所呼ばれちゃうわよ。
あたしが仕事行ってる間に起きたら、止められないじゃない」
はぁ、とママはため息を漏らす。
ぼくはね、あの二人、けっこうすばしっこいと思うんだ。
だから、大丈夫だよ。
「あらあら。
なーちゃんに励まされちゃったわ。
あんたもずいぶん、でん、と構えるようになったわね」
ママは、ふ、っと鼻から息を漏らす。
まぁ、頼もしいか、って。
そうなの?
ぼく、頼もしいの?
ってぼくも鼻から息を漏らした。