夏が終わる

夏が終わる。
と、言ってももう秋も終わりそうで
人の出入りが多かったし
夏の片付けができなかったの
とママは言う。
少し肌寒いくらいになっていた。
「そろそろコタツの出番だ」
とママは言う。

ばぁちゃんは
「あんまり暑いとか寒いとかないのよね。
 もう感覚が鈍感になっているのかしら。
 でも便利だけど」
と言って笑っていた。

いろんな人が出入りして
パパもママも色々やりくりしてたけど
「もうそれも終了。
 よくわかった。
 充分時間は作ったと思う。
 そろそろ締めて取り掛からないと」
と言うとママは大きく息を吸った。

ついにパパの失業保険が終わって
お店の家賃と
家の家賃を稼いで来なくちゃなぁ
ってママは天井を仰ぐ。

「よく考えたし考え直したし
 それでもやっぱり
 自分で死んでみようと思う。
 この畳の上で死んでみる」
って、ばぁちゃんはママに宣言した。

ママは
おぅ!やってみろ!
できる限りのサポートはする!
とこぶしを突き上げた。

できる限り迷惑が掛からないように
できる限り自分のことは
自分でやるからね
ってばぁちゃんは真っすぐに
ぼくたちを見た。

ぼくもパパもママも
黙ってうなずく。

後半戦。
誰もが気を引き締めた。

ばぁちゃんはとにかく
昼も夜も良く寝た。
眠って眠って
ぼくと同じくらいの睡眠量になっていたと思う。
ぼくより多いかな、って思う日もある。
起きている時間は
パパかママがいるときくらい。

だからぼくも一所懸命
ばぁちゃんの傍で寝た。
寝ているときに時々
ばぁちゃんの手が伸びてきて
ぼくの頭を撫でる。
ぼくは
ここにいるよ
と、その手に鼻をくっつける。

これが、ぼくの応援。


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