ぼくは、いくらなんでも電話くらいかけてくると思ってたんだ。
それなのに。
パパはラーメンを食べて帰って来たり
コンビニの弁当を買ってきたりして夕飯を済ませている。
一応ぼくのカリカリも金魚ちゃんのご飯もくれる。
ねぇ、パパ。ママから電話ないね。
「うん。なんか、忙しいみたい。
1時間だけど、時差もあるしね。
でも朝、オレが出勤する前にLINEは来るんだよ。
なんか、美味しい物食べてるみたい」
ぼくはコタツの上に散らかるプラスチックを見つめる。
「いや、オレも自分で作ればいいんだけど
一人で食べるのに作るのめんどくさいから」
あはは、とパパは笑った。
なんだか、ママが居ないと火が消えたように思うけど
パパも少し変わって、朝早くからゴミ出しをしたりしている。
ママが部屋中に飾って行った花たちが
頑張れがんばれ、とささやいている。