トラさんがご飯を食べている。
今日はクチャクチャご飯とカリカリのダブルだ。
トラさんはどっちも好きみたい。
今日はジャック、来ないね
ってぼくはトラさんに話しかけた。
いやなに、わしはあいつが居たところで
特に気にはせんのだが
あいつが食ってかかって来るからの
トラさんはモゴモゴと言い分ける。
わしだって、大人しくしてたいんじゃぞ。
できれば同じ皿で一緒に食べてみたいんじゃ。
だがあいつと来たら、顔を見れば睨みつけおる。
ん?
誰か来た?
ぼくも庭先に目を向ける。
トラさんは首を振った。
いや、違ったようじゃ。
まだ今は、わしに食ってかかるが
わしにもそんな頃はあった。
気持ちはわからんでもないんじゃ。
そう言って、トラさんは黙ってご飯を食べ続けた。