協力者のお陰で

くんくん。
相変わらず土臭いね。

「あら失礼ね。
 お風呂も入ったしそれに今日はそんなに土触ってないもの」

ママが口を尖らす。
あ、ばれた。
実はそんなに臭くない。
言ってみただけだよ。でもどうせ作業やってたんでしょ?

そうなんだよね、と言ってママはぼくにスマホを見せる。

「これは表の商店街で飾られてるプランターなんだけど
 街づくりでリニューアルするそうで捨てちゃうって言うからさ
 河岸にちょうだいって言ったのよ」

へぇ。それはいいね。

「いや、でもさ、どこにどうやって置くんだ、管理はどうするんだ、
 それをちゃんと言わないとあげられないって。
 まぁ勿論よね。
 歩道に置きます、なんて言ったら
 それは違法だ、ってなっちゃうし。
 じゃぁ正式に警察と土木事務所に許可を取ろうっていうのと
 工事の期限は決まってるから許可が下りる前に捨てられたらおしまいだから
 置いておく場所と運ぶ人を探さなきゃいけないじゃない」

ママはぐったりと目を閉じる。

なにそれ。それやるの?

「やったの。過去形よ」

ママはグイっと目を開けた。

えー!
こんなに?!
まさかママ1人で運んだの??
ママならやりかねない。
ぼくも手伝えることがあれば何か、と言いかけたところで
ママは手を広げた。

「さすがに重いのよ、これ。
 で、取り外し作業をしてる業者さんにお願いして
 それも二か所に運んで欲しいと言っておきながら
 こっちこっち、って誘導して
 置いて欲しい場所まで運んでもらっちゃった。
 有り難かったなぁ」

かっこいいよね、と言って写真をスクロールして見せた。

へぇー
台車にトレーを乗せてその上に苗の植わったバスケットを乗せている。
それが数台でこちら向かってきている写真だ。

「こんなこと、道具持ってなきゃできないし
 男手そろえてなきゃ無理なのよ。
 この後プランターのカバーを外す業者が作業するから
 植木屋さんたちもちゃっちゃとやっちゃわなきゃいけないし
 邪魔にならないように仕事頼まなくちゃ迷惑になるしさ。
 物凄い救世主だったなぁ」

でも上手く行った、とママはガッツポーズを取っている。

ねぇ、カバーって?とぼくが聞くと
それがまた厄介でね、とママは肩を落とした。


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