「やっと止まったみたいだけど
一気に溶けても困るらしい」
ママがスマホを見ながら呟いた。
電話をしている訳ではなくて
LINEの写真をみて、ぼくに伝えている。
ママには北海道に友達がいる。
その友達からの連絡だった。
よく野菜を送ってくれるから、ぼくも知ってる。
彼女は20年前に旦那さんと移住した。
そこで2人の子供を産んでいる。
すっかり道産子だね。
「それでもこんなに積もるのは初めてだ、って。
毎朝5時から家族で雪かきしないと外に出られない、って」
え。
それは酷い。
「異常気象も振り幅が大きすぎる。
雪に慣れてるとは言え、きついよ。
雪が凄い、なんて連絡、してきたことなかったし」
ママは眉をしかめた。
止んだのは良かったけれど
急に温かくなって全部溶けたら
今度は水害だ。
「それでも現場にいる人で頑張らなきゃならない。
ここからできる事なんて、励ますくらいしかない」
ママはグッと目と閉じた。